これからの時代に求められる力とは、与えられたタスクを他者よりも早く正確に処理する能力ではありません。課題を自ら発見し、最適解を構築し、課題解決する能力こそが必要になります。すべての生徒がその力を確実に養っていくために、本校では5つの教育項目を重視しています。
本校では全ての教科においてPBL型授業が導入されています。PBLは、一つの正解の無い課題に対しての最適解を構築する過程で、主体的な学びを促し、知識を定着させ、思考を深めることを可能にします。授業は下のような流れで展開されます。この授業を通じて、5つのチカラを着実に育んでいきます。
まずは、解がひとつでない問いを生徒に投げかけます。「持続可能な電力供給体制を提案せよ(理科)」や「What is communication?(英語)」など、生徒が自ら取り組みたくなるような問題を取り上げて考えていきます。こうした問いに直面することで、新たな知識を得て自分なりの答えを探そうという知的探究心が刺激され、主体的な学びへと発展していきます。
トリガークエスチョンを受け、必要に応じて教材を参照し、タブレットで検索を行い、ロジカルシンキングのフレームワークなどを用いながら、自分の意見(最適解)を頓知的に構築します。最適解の裏付けとなるエビデンスを能動的に獲得する ため、論理的思考力はもちろん、知識の定着率も高められます。
個々の生徒が導き出した最適解を持ち寄って、いくつかのグループをつくり、ファシリテーター(進行役) を決めて真剣に話し合いをします。 お互いの意見やそれに基づく根拠を交換し、同級生の多様な価値観や秀逸な論理展開に触れることで、 自らの視野も広がり思考も深めていきます。
グループの中で誰の考えがベストだと思うか、 ファシリテーターの進行のもとグループ ディスカッションを行い、「グループの最適解」としてひとつの意見を選びます。 誰を選んだのか、なぜ選んだのか、 その理由も論理的に説明することが全員に求められ、合理的に説得力を持って発言する力と他者の意見を傾聴する力を養います。
各グループの代表者が、それぞれが選んだ「グループの最適解」を熱く語るプレゼンテーション。 代表に選ばれた生徒は、根拠を明確にしながら話すことで、クラスメイトを惹きつける表現手法が身につきます。また聞き手も友人の素晴らしい発表から刺激を受け、様々な発表スキルを学ぶ機会となります。
PBL型の授業のあとは、結論の検証やレポート提出を実施。 トリガークエスチョンに対する自身の解をブラッシュアップします。 授業における生徒の成果は、ルーブリックを用いて評価されます。 その際、知識の獲得量だけでなく、獲得した知識をどのように活用し、自身の解を深められたか、ということも評価の対象となります。