創立者ドン・ボスコの「良き市民たれ!」という言葉を、サレジアン国際学園は「21世紀に活躍できる世界市民の育成」と新たに捉えて、現代教育を展開しています。サレジアンの強み、それは、創設当初から世界を意識していたことです。本校と同じ理念で教育を行っている姉妹校は、世界97か国に広がっています。この世界とのつながりを大切にしながら、サレジアン生には世界を目指して学校生活を送ってほしいと考えます。そのために、学校にはたくさんの仕掛けがあります。変化のめまぐるしい時代に正解のない問いにチャレンジすることを目標に、授業で考え、生徒会活動や行事、クラブ活動で考え、生活の中での問いに仲間と共に最適な答えを見つけていく練習をしていきます。世界のサレジアン生が集まって、世界会議にも参加します。また、ボランティア活動や環境月間など、世界の問題にも関わっていきます。そして、その基盤には、心の教育があります。自分も他者も認める人に成長するための大切な教育です。これがあるからこそ、世界市民としての意識をもつことができます。人も自分もすべてOKとなるための日常生活を考えて、工夫できる人こそ真の意味での世界市民といえます。サレジアン生には、豊かな心を育み、世界で渡り合える力をつけて、世界に羽ばたいていくことを期待しています。
「世界市民」という将来像に近づくために不可欠となる心の成長。その心の教育の指針となる「予防教育法」とは、「あらかじめ、害となりうる体験から防ぐ」という教育法ですが、それは、生徒との信頼関係の中で、生徒が主体的に「善=キリスト教精神、自他を大切にできる愛情」に向かえるように導いていくことと言えます。
このことは建学の精神の基底を成す3つの言葉、「理性」「宗教」「慈愛」によっても表されています。
本校の創立者聖ヨハネ・ボスコと聖マリア・マザレロが実践した「予防教育法による全人間教育」を行うことが本校の建学の精神です。
「予防教育法による全人間教育」とは、理性と宗教と慈愛に基づき、尊敬と信頼あふれる教育環境の中で、青少年の全人間的な教育を目指す教育です。
サレジアン国際学園では、毎日の学校生活の中で様々な機会を通して生徒と教員と家庭が強く関わりを持つことにより、生徒一人ひとりの心に愛情と信頼を形成することで教育の成果を生み出します。このことを本校では、「共に喜び、共に生きる(アシステンツァ)」教育と呼んでいます。この考え方をすべての基礎として、本校独自の教育プログラムが組み立てられています。
自己との対話やグループ活動によりキリスト教的価値観を体得する宗教の授業を通じて、神に心を開き、心から祈り、感謝する心、謙虚な心を育てます。またボランティア活動や世界中の姉妹校との交流を行い、課題について自分事として想像・共感する力、解決への道筋を構築する力を培います。
本校は、カトリック女子修道会「サレジアン・シスターズ」が創立母体です。
サレジアン・シスターズは、1872年に聖ヨハネ・ボスコ、聖マリア・ドメニカ・マザレロによって設立され、イタリアのローマ市に本部を置いています。
現在世界97か国に支部を設け、教育及び社会事業に従事しています。