変化が激しく先行きも不透明な時代。 そこで求められるのは自ら考えて選択し、新たな価値を創造することで社会に貢献していく人です。
本科では、そのような世界市民を育成するために、論理的思考力が鍛えられるPBL 型授業をはじめ、 複数学年がゼミナールに集って学ぶ個人研究を実施しています。
研究者として主体的に学んでいく6年間で、 基礎学力を高めるだけでなく、より深く知識を掘り下げる中で自身の生き方やあり方も明確にしていきます。
個人研究とは、 「総合的な学習(探究) の時間」 を利用した探究型授業のことです。 中学では週3時間、 高校では2時間、 大 学のゼミナールのように複数学年が同時間帯に学習します。 毎年の学園祭では、ポスターセッションを実施し、研究成 果の発表を行います。 中学3年生で中間レポートを作成し、 高校2年生では学びの集大成として最終論文を執筆。明確な 目標を持って高等教育機関への進学を目指します。
中学1年生は、 「プレゼミ」としてアカデミックスキルを学びます。 論文の書き方や先行 研究の調べ方などのスキルだけでなく、多様なワークショップを通じてロジカルに考 える力を身につけ、学術分野を知ることで、研究者としての素地を身につけます。
中学1年生で学んだ研究の基礎をもとに、自身の興味関心とキャリア デザインに基づいて研究計画書を執筆。 教員との面談や、上級生から の示唆や刺激も受けながら、自身の研究テーマを設定します。
大学レベルの実験器具を備えたサイエンスラボで の実験やフィールドワークを通じた研究を推進。 自ら揚げたテーマと真摯に向き合い、研究を通じて 21世紀に活躍できる世界市民を目指します。
中学2年生から高校2年生まで、 生徒はゼミナールに所属し個人研究を行います。
現在は8つのゼミナールが開講中で、各分野の専門知識を持った本校教員がすべて担当しています。
国内外を問わず文学作品・作家の研究や文芸・音楽・サブカルチャー批評の実践、作品を通じて社会や文化を考察していく表象文化論を扱います。
多くの芸術に触れながら、現代社会における芸術の意味や新しい在り方も考えていきます。
絵画・日記・公文書などの文献史料や遺跡・遺物などの出土史料、統計資料などを駆使して、歴史の「なぜ」に迫ります。
このゼミで培われた歴史を読み解く力を現在および予測不可能な未来の諸問題の解決に活かすことを最終目標とします。
未来の日本・世界について、どのような社会が望ましいのか、現在の政治・経済・思想・哲学などを通じて考えます。
具体的に解決したい社会課題に対して、アントレプレ ナーシップを発揮し、実際に行動・解決に向かうことを最 終目標とします。
方程式論や幾何学、 確率統計学など、各個人が興味を惹か れる数学的テーマを取り上げ研究し、論文にまとめます。
条件や見方を変えながら、新しい性質や命題を生み出せないか試行錯誤することで、数学の面白さに触れ、より専門 的な知識や高い論理的思考力を身につけていきます。
「日常生活や社会をちょっと良くするアプリやレゴSPIKE ロボットを作る!」がこのゼミの目標です。
プログラミン グの基礎やデザイン理論など関連する知識を幅広く学ん だあと、最終的には一人ひとりが自分の目標に沿って制作をしていきます。
「技術×エネルギー×宇宙」をテーマに、世の中にあふれる物理的な事象を対象とした問いを立て、仮説を描き、実験と考察で真理に迫ります。
「物理学」の視点から、より良い未来を創造します。
「化学×創造」をテーマに、有機化学、無機化学、分析化学を中心に研究を行います。 文献調査や実験を通じて化学の本
質を学び、自ら課題を見出し考察・発信することで、化学を通して未来を創造する力を育みます。
生命とは何かを問い、遺伝子や環境との関係を紐解きながら、最先端バイオ技術を通して、見えない生命の神秘に迫ります。
地球上のあらゆる問題を「生物学」という視点で究めます。
本科クラスでは、研究者として学びを深く掘り下げるために、年に複数回の校外学習を企画しています。
中学1年次には、学問的な興味関心を広げ、自身の研究テーマを設定できるよう、年に3回の校外学習を実施します。
6月:上野公園の博物館
7月:東京駅周辺のフィールドワーク
11月:日本科学未来館
中学2年次から所属するゼミナールでは、学期ごとに校外活動を実施。
研究テーマに沿って、生徒たちが行先を決定します。
また夏休みには、ゼミナール合宿を実施し、遠隔地でのフィールドワークも実施します。
毎週8時間の英語授業で英語力を高めます
研究者として学び、論文を執筆したあとの進路は日本国内に限りません。
海外の大学に進んだ方が、より先端の研究が続けられる場合もあるでしょうし、国内にいても英語の論文を参照することもあるでしょう。
本科クラスでも英語教育を大切にしており、週8時間の英語授業は全てInternational Teachersが主導し、より実的な形で英語力を高めることが可能です。
2026年度より新プロジェクトが始動
21世紀は、もはや自らの利益だけを追求する時代ではありません。
私たちは、 気候変動や格差、資源の枯渇などのグローバルイシューの解決に向けて、人類全体で協力して 取り組むことが求められています。 このような時代に生きるということは、「学問」という枠組みにとらわれず、分野を超えた総合的な知を身につけ、それを社会に還元していく姿勢が必要であることを意味します。
また、生成AIに象徴されるようなテクノロジーの急速な進化により、世界は日々めまぐるしく変化しています。
そうした変化に対して、正しい理解と適切な活用がなければ、「知」は人類の未来に貢献する力を持ち得ません。 だからこそ、私たちは知を深めるだけでなく、それを社会と結びつけて活用する力を育んでいくことが、これからの時代を生きる上で重要なのです。
こうした現状をふまえ、サレジアン国際学園は革新性・独創性をもって社会に貢献するための学びを実践するプログラム “MEDICO” をスタートします。
数学 科学、 情報技術を中心とした学びによって、医学やテクノロジー分野における高度なリテラシーを身に付け、 複雑に絡み合った問題を解決に導く力を養えると、私たちは確信しています。